浮指とは？ ー 見過ごされがちな足の不調

「浮指（うきゆび）」とは、立っている時や歩いている時に足の指（趾）が地面に接地していない状態を指します。特に母趾（親指）を含む複数の趾が浮いたままだと、バランス感覚の低下や足の疲れ、さらには膝・腰・肩への悪影響にもつながることがあります。

浮指の主な原因

• 足底筋（足の裏の筋肉）の筋力低下

• 靴の形状やサイズの不適合

• 足趾の使い方が偏った歩き方・立ち方

• 偏平足や外反母趾の影響

よくある自覚症状

• 歩くとすぐに疲れる

• 外反母趾やタコ・魚の目ができやすい

• 姿勢が悪くなったと言われる

• 転びやすくなった

浮指改善のためのエクササイズ ー 2大トレーニング法

1. タオルギャザー

床にタオルを敷き、足の指で手繰り寄せる運動です。足趾屈筋（足の指を曲げる筋肉）を鍛えることができます。

メリット：

• 初心者でもわかりやすく取り組める

• 指の動きを意識しやすい

デメリット：

• 内在筋（アーチを支える深層筋）への直接的な効果は薄い

• 足趾を曲げすぎてしまう癖がつくことも

2. ショートフットエクササイズ

足の裏を「すぼめる」ように、母趾球と踵を近づけるような動作で、土踏まずのアーチを引き上げます。

メリット：

• 内在筋をダイレクトに鍛えられる

• 足裏のアーチ構造を再構築しやすい

• 姿勢や歩行動作への汎化が高い

デメリット：

• 慣れるまで感覚がつかみにくい

結論： 浮指の根本改善には、ショートフットエクササイズの方が機能的かつ効果的。

正しいショートフットのフォームと段階的ステップ

【第1段階】座って感覚をつかむ（初心者向け）

1. 椅子に座り、足裏を床にぴったりつける

2. 足趾はリラックスして床につけたまま

3. かかとと母趾球を近づけるように、足裏を”すぼめる”

4. 足趾は曲げない！

5. 5秒キープ → リラックス（10回繰り返し）

【第2段階】立位でのショートフット（中級）

1. 両足で立ち、足裏3点（母趾球・小趾球・かかと）を意識

2. 第1段階と同様にアーチを引き上げる

3. 上半身の姿勢はまっすぐ、膝を軽く緩める

【第3段階】バランスや動作に応用（上級）

• 片足立ちでショートフットを行う（目を閉じるとさらに難易度アップ）

• 踵上げ（ヒールレイズ）とショートフットの併用

• 歩行中の母趾球とアーチを意識した感覚づけ

日常に取り入れるコツ

• 歯磨き中や料理中などの”ながらトレーニング”がおすすめ

• 靴のサイズやインソールを見直す（足趾が働くスペースがあるか）

• 足指でグー・チョキ・パーをする遊びも効果的

まとめ

浮指はただの足の癖ではなく、全身のバランスに影響する重要なサインです。タオルギャザーよりも、足のアーチと神経再教育に優れたショートフットエクササイズを中心に、段階的に取り組んでみましょう。

毎日5分でも継続すれば、足は確実に変わります。足元から整えて、軽やかな毎日を！